
Ginrei
銀嶺
〔翠峰 × しろがね〕

フリー台1本
3,850円(税別3,500円)
4倍体欧米雑種
山口県宇部市の畠田義男氏が「現代農業」誌(2005年)に「しろがね」と命名した早熟巨大粒の黄緑色品種を紹介した。品種の来歴は不明だが「希望者には穂木を無償で提供します」という記事だったため反響が大きく、全国各地から要望が殺到した。私も興味があり、宇部市に「しろがね」の果実を視察に行った。よく観察したところ僅かに粒の根元に赤味が見られたので、元々は紅色種かもしれないと感じた。来歴は定かではないが、多種育種した伊豆長岡の井川秀雄系品種にも似ている。西南暖地で気温が高いため着色できず、白い品種と思ったのだろうと推論し、この品種を甲府市の自園で成らせて見た。結果した果実はやはりピンク~赤色に着色した。そこで本当の白い品種にすべく熟期の遅い巨大粒の「翠峰」にこの「しろがね」を2006年に交配し、2009年に初結果を見た。数年間の観察により、間違いない黄緑色の早熟巨大粒品種を選抜したのが本種である。熟期は8月中~下旬で比較的早熟である。「しろがね」に因んで「銀嶺」と命名した。
「しろがね」に似て果皮は厚くしっかりしていて裂果はない。巨峰系の四倍体欧米雑種であり、ジベ処理すると種なしになる。「しろがね」より肉質が硬く、脱粒性も少なく棚持ちもいい。糖度は高く、食味もいい。樹勢は強く、耐病性も強く栽培容易で結果は安定しているので適地は広く、気楽に作れるので趣味栽培にも最適であろう。